外壁塗装の費用が確定申告でどう扱われるかは、その建物が「自分の住まい」か「貸している・事業に使っている建物」かで分かれます。
このページでは、国税庁のタックスアンサーに書かれている要件だけを並べます。
個々の工事がどれに当たるかは工事の内容で決まるため、判断は所轄の税務署や税理士に確認してください。
(ここに書いた内容は、国税庁の各ページの「令和8年4月1日現在法令等」の記載によります。)
自宅の場合:リフォームの税額控除は工事の種類が決まっている
自分が住む家のリフォームで所得税が控除される制度として、国税庁は工事の種類ごとに次のような制度を案内しています。
- 省エネ改修工事をした場合(住宅特定改修特別税額控除)
- バリアフリー改修工事をした場合(住宅特定改修特別税額控除)
- 耐震改修工事をした場合(住宅耐震改修特別控除)
- 多世帯同居改修工事をした場合(住宅特定改修特別税額控除)
- 住宅ローン等を利用して増改築等をした場合(住宅借入金等特別控除)
省エネ改修は「窓の改修工事」が要件
国税庁の説明では、令和4年1月1日以後に住み始める場合の一般省エネ改修工事は、
居室の窓の改修工事、またはその工事と併せて行う床・天井・壁の断熱工事で、
改修した部位の省エネ性能がいずれも平成28年基準相当以上になる工事とされています。
工事の標準的な費用の額(補助金等を受ける場合はその額を引いた額)が50万円を超えることも要件です。
外壁の塗り替えだけの工事は、この定義に挙げられた工事ではありません。
住宅ローンを使った増改築等
住宅ローン等を利用した増改築等の控除(No.1211-4)で対象になる工事は、
増築・改築・建築基準法に規定する大規模の修繕または大規模の模様替え、
一室の床または壁の全部について行う修繕・模様替えなどと定められています。
「大規模の修繕・模様替え」は、家屋の壁・柱・床・はり・屋根・階段のいずれか一以上について行う過半の修繕・模様替えをいうとされています。
また、増改築等の額(補助金等を受ける場合はその額を引いた額)が100万円を超えていることなどが要件です。
外壁の工事がこれに当たるかどうかは工事の内容によるので、税務署で確認してください。
住宅ローンを使った増改築等の控除の手続き:最初の年は確定申告、給与所得者は2年目以後に年末調整も使える
住宅ローン等を利用した増改築等の控除(No.1211-4)には、工事の種類や金額のほかにも、合計所得金額・床面積・借入金の種類などの要件があります。
要件を満たすかどうかは国税庁のページと所轄の税務署で確認してください。
そのうえで、手続きについて国税庁は次のように説明しています。
- 控除を受ける最初の年分は確定申告が必要。確定申告書に「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」や、建築士等が発行した「増改築等工事証明書」などを添えて、所轄の税務署へ提出する
- 2年目以後の年分は、確定申告書に計算明細書と「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」を添付して受けることができる
- 給与所得者は、2年目以後の年分は年末調整でこの控除を受けることができる。その場合は、税務署から送付される「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書兼給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」と「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」を勤務先に提出する
貸している・事業に使っている建物の場合:修繕費か資本的支出か
アパートなど貸付けや事業に使っている建物の修繕費について、国税庁は次のように説明しています(No.1379)。
- 通常の維持管理や修理のために支出するものは修繕費として、その年の必要経費になる
- 資産の使用可能期間を延ばしたり、価値を高めたりする部分の支出は資本的支出とされ、減価償却の方法で各年の必要経費に算入する
- どちらかは、修繕や改良という名目ではなく、その実質によって判定する
次に当たる支出は、修繕費として確定申告をすれば、その年の必要経費に算入できるとされています。
- おおむね3年以内の期間を周期として行われる修理・改良などであるとき、または一つの修理・改良などの金額が20万円未満のとき
- 一つの修理・改良などの金額のうち、資本的支出か修繕費か明らかでない金額が60万円未満のとき、またはその資産の前年末の取得価額のおおむね10パーセント相当額以下のとき
どちらにも当たらない場合は、「資本的支出と修繕費の区分の特例(所得税基本通達37-14)」により区分することが認められている、とされています。
外壁塗装の工事がどちらに当たるかは、工事の実質で判定されます。
助成金を受けた場合
上の省エネ改修・増改築等の控除では、工事費用に補助金等の交付を受ける場合は、
その額を差し引いた額で要件を判定すると国税庁は書いています。
自治体の外壁塗装の助成金については外壁塗装の助成金・補助金がある自治体一覧にまとめています。
工事の内容が分かる見積書を、複数の業者から取る
税務署に相談するときも、修繕費か資本的支出かを判断するときも、どこにどんな工事をするのかが行ごとに書かれた見積書が材料になります。複数の業者から見積もりを取り、工事の範囲と内訳を見比べてください。
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このページの出典
- 国税庁 タックスアンサー「No.1379 修繕費とならないものの判定」
- 国税庁 タックスアンサー「No.1219 省エネ改修工事をした場合(住宅特定改修特別税額控除)」
- 国税庁 タックスアンサー「No.1211-4 増改築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」
- 国税庁 タックスアンサー No.1220(バリアフリー改修)・No.1222(耐震改修)・No.1224(多世帯同居改修)
いずれも2026年11月3日確認。税制は毎年改正されます。申告の前に国税庁の最新のページと所轄の税務署でご確認ください。
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